Laurene LaVallis - Key To Our Love ('84)

新しい好みの音楽に出会ったとき、そのアーティストについて調べてしまうことはよくあるかと思います。ほとんどの場合、インターネットを使えばだいたいのことはわかりますが、中には情報がほとんどなく、そのアーティストが何者なのかわからないということが稀にあります。

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LAURENE LaVALLIS - KEY TO OUR LOVE - YouTube

ソウルのシングルカルチャーではアルバムを出すことができず、リリースはシングル数枚のみというアーティストなんて掃いて捨てるほどいますが、これも80年代の米国のオブスキュアなソウルシングル盤。初めて聞いたときは部屋に稲妻が走って、頭が爆発したような、そんな感じがしました。

彼女と呼んでいいと思うのですが、これがリリースされたのはおそらく84 年。米国ではディスコ真っ盛りの中、なんとも荒々しいディープなスウィート・ソウルが展開されています。録音もどこかホームメイド感がありなんとも愛くるしい。正直なところ84年の録音だとはとても思えません。YouTubeのコメント欄にも以下のようなコメントが。

Still can’t believe this heat was recorded so late, who else had been recording this sound in 1984?!

 

一瞬にしてファンになってしまい、このシングルを探し回りましたがオークションなどにも滅多に出ない非常に貴重な盤であることがわかりました。

こういうときアーティストの素性が知りたいという衝動が抑えきれなくなり、インターネットでサーチします。半分は仕事でもあるのですが、半分は趣味。

 ラベルを見る限りおそらくデトロイトのアーティストなのでしょう。彼女がこの名義でリリースしたのはこのシングル盤1枚のみ。もしかしたら誰かの変名や活動初期の名義である可能性はありますが、その可能性は薄そうです。ラベルにあるTronic Productionってのはもちろん聞いたことがないですし、調べてみても他にリリースがなさそうなので、おそらくこの盤のみの適当なレーベルなのでしょう。

プロデュースとアレンジを務めるW. TaylorとN. Robinsonという人物についても調べてみましたがよくわかりません。ローレン・ラヴァリス?という聞き慣れない名字も調べてみましたが手がかりなし。インターネット上にもこのアーティストについての詳しい記述は一切ありませんでした。ただ、ミシガンにはLavallisという名前がチラホラある、というのは少しわかりました。

Irma Lavallis in Michigan | 3 Records Found | Spokeo

 

そしてこのレコードを探しているコレクターが非常に多いということがよくわかりました。彼女は今もデトロイトに住んでいるのだろうか。音楽はやめていて結婚して、もしかしたら孫もいるかもしれない。色々な俺の勝手な憶測が浮かんでは消え、答えは知るすべがありません。奥深き米国ソウルシングルの世界へようこそ。

 

参考